今から27年前に買って、10年前からお蔵入りの絨毯を捨てた。
エアコンとほぼ同じ頃、稲毛海岸に引っ越しした時の絨毯。
捨てられなかったのには濃い思い出があったから。
亡くなった娘が入院中(多分産後直ぐ)私の母に手伝いに来てもらっていた時のこと。
面会から帰ると、絨毯が20センチほどざっくり切れていたので驚いて「あ~ここどうしたの?」と声を挙げたら当時小1の長男が「ぼくが切ったのかも、さっきそこで段ボールひいてカッター使った時、はみ出たかもしれない。ごめんなさい」と言った。
私は「あ、そうだったの。話してくれてありがとう。ひっかかるから裏からガムテ貼っとこう」と修理をしたら母が「あの子はよく正直に言ったね」と驚いたので
「そりゃ、正直に言えば私が叱らないの知ってるし、ちゃんとカバーするの知ってるから」と説明した。
母に正直に話しても叱られ、隠してもばれて「今度隠したり嘘をついたりしたらカンカンイン(感化院のことか?たぶん今でいう少年鑑別所)に入れてやる!」と脅されて育った私は、子どもから正直に話して貰える母になろうと心がけてきた。その象徴的な出来事が詰まった絨毯で捨てられなかったのだ。
その後数年使って10年前にウィリアム・モリスの絨毯に買い替えた。
こうして思い出を残すことで捨てる決心がついた。
長男は押し出しファイリング式記憶力人間だから、きっとすっかり忘れているだろうな